医療法人社団ペリオ会 宮田歯科医院 厚生労働省認定・歯周病専門医 〒165-0025 東京都中野区沼袋1-44-2 西武新宿線沼袋駅より北へ徒歩1分 TEL.03-3386-6605
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歯周病治療のQ&A
Q. 歯周病の検査ではどんなことがわかりますか
A. 歯周病は特殊な細菌による感染症ですから、感染の状態がどうなっているのかを調べることが検査の中心になります。この歯周病を引き起こす細菌を媒介するのがプラークと言われる歯垢です。ですから、なにより最初に歯の周りにこのプラークがついていないか、あるいはプラークがつきやすい環境を提供している歯石がないかを詳しく調べます。
 歯周組織に初期の感染が生じると歯肉の辺縁部に炎症が起こります。歯肉が赤くなったり、少し腫れたりします。そして、徐々に感染が進行するに従って歯肉の内側にまで炎症が波及し、歯と歯肉の間にポケット状の裂け目ができます。これを歯周ポケットと呼びますが、その深さが深いほど歯周病は進行していると言うことが出来ます。そこで、歯周病の検査ではまず、この歯周ポケットの深さを特殊な器具(プローベ、図参照)で計ります。健康な人でも歯と歯肉の間にはわずかな隙間があります。これを歯肉溝と呼びますが、これはせいぜい2mm程度までで病的な歯周ポケットとは全く違うものです。それ以上の深さになりますと、歯周ポケットである可能性が強く、歯周病に罹患している危険性が高くなります。この歯周ポケットを検査する時に(専門的にはプロービングと言います)、同時に歯周ポケットの底の部分の炎症状態も知ることができます。プロービングによってポケットから簡単に出血するようでしたら、ポケットの内部は強い炎症状態にある、と判断出来るわけです。
  
 レントゲンによる検査も歯周病の診断には重要です。レントゲンから例えば歯を支えている骨(歯槽骨と呼びます)がどのくらい破壊されているか、どこの部位に歯槽骨の破壊が存在するのか、などいろいろな情報をこの検査で知ることが出来ます。レントゲンの検査は上下の歯と歯槽骨の状態を総覧的に観ることの出来る「パノラマX線撮影」と数歯の歯を詳しく観察できる「デンタルX線撮影」の両方を併用して診査するのが一般的です。
  
 歯周病のもう一つの問題として噛み合わせがあります。噛み合わせの不調が直接的に歯周疾患を引き起こすことも稀にはありますし、歯周病に罹患した状態で噛み合わせが悪いと歯周病は通常よりはるかに早く、重篤に進行してしまいます。ですから、噛み合わせの検査も大切になります。例えば、噛み合わせようとする時や、左右あるいは前の方に下顎を動かそうとすると一ヶ所だけ強く、早く歯同士が接触してしまう、などの症状は噛み合わせによる暴力的な力が歯に加わっていて、歯周組織を破壊する原因になります。そのような状態を「咬合性外傷」と呼びますが、上下の歯列模型を使ったり、実際に患者さんの噛み合わせを検査したり、異常な歯の動揺がないか、など詳しく咬合性外傷に関する検査を行います。
 歯周病の検査で得られた歯周病の原因因子、進行状態、歯周組織の破壊の程度などを総合的に判断して治療方針をきめる手だてにします。

Q. プラークとは何ですか
A. 歯周病が病気を引き起こす病原性細菌による感染症であることは前にも述べましたが、それらの細菌はどこでも生きてゆくことができるわけではありません。ある特殊な環境が必要となります。
 プラークは正にその環境を提供する細菌たちにとっては最も適した場所といえます。プラークは、恐らく食べ物の残りカスが歯の表面に付着し、そこにいろいろな細菌が繁殖し、細菌たちの産生した汚物や死骸などが集まって出来た塊(集塊)だと考えられています。プラークは、一度歯の表面に付着すると数時間(2~3時間)で厚いネトネトした状態でどんどん積み重なって行く(堆積)という大きな特徴があります。ですから、食後なるべく早く歯を磨かなくてはいけない、という理由はこのプラークの堆積を未然に防ぐ必要があるからなのです。
 プラークは時間の経過とともに石灰化して歯石になってゆきます。プラークのもう一つの特徴は歯肉の辺縁部から上の部分と下の内側の部分とは性格が異なる、ということです。上の部分のプラークに比べて内側についたプラークは毒性が強く、歯周組織の破壊に強く影響します。結果として歯周ポケットを形成し、深く進行したポケット内部にまたプラークが進入し歯周組織を破壊してゆく、という悪循環に陥ってしまうことになります。

Q. プラークと歯石は違うのですか
A. プラークと歯石の関係は子供と親、あるいは孫とおじいちゃん、といった関係だと思って下さい。プラークは毒性の強い歯周病の発症に直接関係する細菌を大量に含んだ粘着性の強い集塊ですが、子供や孫のように若く活発に活動しています。しかし、時間が経過するに従ってプラーク内の細菌や内容物がカルシウムやリンなどを沈着させるようになり、徐々にプラーク自身が石灰化して硬くなってゆきます。それを歯石と呼びます。
 歯石は一般に歯周病の直接的な原因であると考えられてきましたが、最近の研究では歯石そのものが歯周組織の炎症の原因にはならないことが分かってきました。むしろ、歯石の表面が粗造なため、プラークの沈着を容易にしていることの方が問題である、という見解のようです。歯石であるおじいさんの背中に孫のプラークがおんぶされていて、周囲に悪さをしている、といった風景でしょうか。因みに、歯石は歯面に強くくっついていてブラッシングのみでは取り除くことができません。歯石を取り除くには歯科医師や歯科衛生士などによるプロフェッショナル・ケアーが必要です。

Q. 治療に行くたびに歯ブラシのことをうるさく言われるのですが
A. 歯ブラシで歯を磨くことをブラッシングとも呼びますが、このブラッシングを必要ないと思っている人はいないはずです。
 歯を清掃することがむし歯や歯周病を予防することは誰でも知っているからです。良く分かっているのに何で治療に行くたびにブラッシングをうるさく注意されなくてはいけないのか、というのが率直な患者さんたちの不満でしょう。大事なことは、ブラッシングを「毎日していること」と「正しく歯を磨けているか」とは全く異なる事、ということを患者さんは理解しなくてはならないのです。習慣としてのブラッシングは歯周病を直すブラッシングとは違います。自分で出来る治療をセルフ・ケアと言いますが、歯周病のセルフ・ケアで最も大切なのがブラッシングです。ですから、正しく効果的なブラッシングを「治療」として行わなくては意味がないのです。歯科医師や歯科衛生士が治療のたびにうるさくいうのは、歯周病の治療としてブラッシングを考えているからに他ならないのです。

Q. 早めの治療というのは、どのような症状の時にどのように行うのですか
A. 歯周病は幾度か言いましたように大変毒性の強い特殊な細菌による感染症です。そして、歯や歯周組織は常にその感染の危険性に冒されています。そして、さらに厄介な事に歯周病の感染の初期にはほとんど自覚症状がないか、あってもごく軽微で長くは続きません。ですから多くの患者さんは歯周病の感染に気付かずに病態は進行してしまうのが常のようです。
 しかし、歯周病の初期にもいろいろなサインが現れます。まず、歯肉の辺縁部や歯と歯の間に注目してください。その部分が赤くなっていたり、わずかに腫れているようでしたら、歯周病の前駆症状の歯肉炎の状態です。歯肉炎の全てが歯周病になる訳ではありませんが、その危険性が高いのです。なぜなら、このような症状のほとんどがプラークが原因しているからです。もし、プラーク中の細菌が悪さをして、歯周ポケットを形成してしまったら、もっと質の悪いプラークが歯肉の奥深く進入をはじめます。ですから、最初の症状として歯肉の発赤や腫脹に注意してください。
 次に、ブラッシングをすると出血する、あるいは、歯がしみる、重痒い、違和感がある、などいつもと違う「嫌な」症状がでてきたら、これも要注意です。歯周病は進行すると歯を支えている歯槽骨が破壊されて行く病気ですから、その進行段階で必ずいつもと違う不快な症状が出てくるはずです。この症状も初期の段階では長く続きませんから見逃しやすいのですが、この段階で正しいブラッシングによるプラークコントロールをおこない、歯科医師や歯科衛生士による簡単な処置で歯周病の進行は抑えることが出来ます。

Q. 歯周病の自覚症状とはどんなものですか
A. 歯周病の初期には自覚症状がほとんどないか、あってもごく軽微であることは前に述べましたが、歯周病が進行してゆきますと、実に様々な症状が出てきます。その具体的な例を表にしてみましたが、この中でも、恐らく患者さんにとって最も困った症状は歯がぐらぐらしてきて物が食べられなくなる事でしょう。
 歯周病は歯を支えている歯槽骨が破壊されてゆく病気ですから、病状が進行すると支えている骨がすっかり溶けてしまい歯を支えることができなくなってしまいます。破壊された骨やその周りの組織は膿となってお口の中に漏れだしてゆきます。ですから歯周病の事を歯槽(歯茎)から膿が漏れる状態、すなわち「歯槽膿漏」と呼んだのです。その時に独特の悪臭を「膿漏臭」と呼び、人が嫌悪する最悪の臭気の一つとされています。そうなってしまっては、どんな歯周病の名人歯科医師でも歯を救うことはできません。結局は自然に脱落するか、抜歯することになるのですが、たくさんの歯が歯周病に罹患しているとなるとその後が大変です。
 歯がなくては物が食べられませんから、入れ歯やブリッジを入れることになります。しかし、それらを支える歯が歯周病で十分な歯槽骨の支えがありませんから、暫くしてまたぐらぐらになって抜けてしまいます。まるで足を踏み外して階段から転げ落ちるような止めることの出来ない悪循環に陥ります。歯を抜いては入歯を入れ、また抜いて入歯、そんな状況が十年あるいはそれ以上続くことを想像して下さい。そして、最後は総義歯になりますが、その時は歯槽骨もすっかり痩せてしまっていますから具合の良い入歯も無理です。もう一度、歯周病の症状を列記した表を見て、心当たりがありましたら、歯周病専門医を訪ねて下さい。

具体的な歯周病の自覚症状の例
○ 歯を磨くとき、歯肉から血が出る。
○ 口臭がある(人から言われたことがある)。
○ 歯の間に食べ物が挟まりやすい。
○ 起床時に、口の中が粘ついて不快である。
○ 歯茎部の歯肉が、ムズかゆいときがある。
○ 歯肉が充血して赤い、腫れているまたは痛みがある。
○ 歯が浮いた感じがする。
○ 歯茎部を押すと、血や白く臭い膿が出る。
○ 歯が以前より長くなったような気がする。
○ 冷たいものでよく歯がしみる。
○ 歯がグラグラ動く感じがする。

ご質問があればできる限りご返答します。メールでお問い合わせください。
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